自家採種

 よだ農園では一部野菜で自家採種を行っております。自家採種とは、文字通り、自分で育てた野菜の種を毎年採り続けていくことです。

 オクラや豆類、里芋、八つ頭、長ネギ、ゴーヤ、唐辛子やハバネロなどはずいぶん前から自家採種を行っています。これも野菜を育てる楽しみの一つで、F1種※1からの固定化なども試験的に行ったりもしています。

 大根・にんじん・ピーマン・ミニトマト・唐辛子などは比較的気軽に試せるので、ぜひやってみてください。また、グレープフルーツやビワなども種から立派な木になり実が収穫できています。とりあえずなんでも埋めてみれば何かしらの結果がでますので、興味がある方はぜひ挑戦してみてください。

 

 

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F1品種は、「交配」と表示されて売られている種で、従来品種よりも多収性や均一性で勝っていますが、次回の種ができなかったり、できたとしても親とは違う性質になるなど品種として一定しません。しかし、そこから良いものを繰り返し採種し続け5~10年繰り返していくと「自分だけの品種」と成ることもあります。

 

 

また、「無農薬・無化学肥料の種の店 たねの森」など固定種のタネばかりを取り扱っているお店もありますので利用してみてください。タネ採りをする場合は、交雑に注意してください。

 

 


参考

●群馬県内の伝統品種・地方品種
・下仁田ネギ:鍋に入れるととろける甘さで絶品。別名、殿様ネギ
・六合村地きゅうり:六合村。黒イボ
・大白(おおじろ)大豆:片品村
・下植木(しもうえき)ネギ:伊勢崎市下植木町で200年以上栽培されてきた。主に鍋物用
・沼須(ぬます)ネギ:沼田市沼須で昭和初期までに産地が形成されていた。下仁田ネギに近い系統。
・尾島(おしま)ネギ:新田郡尾島町で大正時代までには栽培されていた。
・田口菜:かき菜の一種。前橋市田口町。「アブラナに比べて全体的に淡い色合いが特色。傷みやすいので自家栽培が大半。最初に田口菜が作られたという芝田謙治氏宅に記念碑が建てられた」
・宮崎菜:富岡市宮崎地区。からし菜の一種で主に漬物にされる。収獲2月中旬~3月。宮崎地区以外で栽培するとアクが強くなりすぎ食べられないらしい。
・時沢大根:前橋市富士見町

●群馬県内で育成された固定種
・宮内菜:宮内禎一氏が昭和30年から育成し昭和47年に登録。洋種ナタネ(かき菜)の一種。
・上泉理想大根:前橋市上泉町を中心に栽培されていた。たくあん漬け用。練馬大根を基に品種改良された。昭和36年に渡辺友作氏が全国農林産物品評会農林大臣賞を受賞した。
・石倉ネギ(石倉根深一本葱):昭和初期、前橋市石倉の沢野氏が、鈴木葱と砂村赤昇を交配して育成
・国府(分)ニンジン:高崎市国府地区。大正時代、西洋系の仏国大長ニンジンをもとに品種改良された。根長60~80センチ
・CO菜(しーおーな):伊勢崎、太田周辺で栽培。なばなの一種。昭和30-40年に多く栽培された。